大井川沿いの潜水橋
谷口橋南もぐり橋
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短編 どうやら、川に沈んだらしい。
潜水橋と言うと、あまり馴染みがないかもしれません。
地方によって
潜り橋や
沈下橋とも呼ばれますが、行政上は
潜水橋と呼ぶのが正しいようです。
簡単に説明すると、
増水時に水面下に沈んでしまうのを前提に作られた橋、と言えば分かり易いでしょうか。
低い位置に架橋することにより架橋長が短く済むことから、低コスト・短期間で建設できるというメリットがあります。
しかしその反面、増水時には渡ることができないというデメリットがあり、主要道として架設されることはまずありません。
上流からの流木や様々な漂流物による損壊を避けるため
橋の上に欄干がないか、あっても
かなり低いもの・増水時に取り外し可能な簡易的なものしか付いていない、といった外観上の特徴があります。
では大井川流域において、このような潜水橋など一体どこにあると言うのか?
Click!
国土地理院地図より
ここ。
その橋は大井川に架かっているわけではなく、支流の
大津谷川が大井川に合流する地点に架かっているのです。
さらに言うと車や一般の通行人が渡る橋ではなく、
島田市・藤枝市・焼津市にまたがって造られた
【大井川マラソンコース「リバティ」】の途上にある橋なのです。
このマラソンコースが一般に開放される前、おそらくはまだ建設途中?の写真をパンフレットの中に見つけました。
パンフレットより
どうにも見つからなかった橋の名前が、これで判明。
【谷口橋南もぐり橋】
橋のある位置と構成を簡潔に表した、とても親しみやすい名称!
(注:個人の感想です)
写真を見ると確かに橋の欄干はなく、水面に近いかなり低い位置に架かっています。
大津谷川が増水した際には、この橋は完全に水の中に沈んでしまうというわけですね。
それでは、この橋の現在の様子を見てみましょう。
こんな感じ。
これは下流側から橋を見ています。
パンフレットの写真には無かった、
欄干が設置されているようですが?
どうにも泥だらけ。
と言っても完全に乾いているようなので、水が引いてからそれなりに時間が経っているようです。
大会等のイベント前になれば、急いで掃除をするんでしょうか。
植物が生い茂っているせいで、残念ながらパンフレットと同じ視点を得ることはできませんでした。
また橋の隅々まで見たつもりですが、銘板は見つけられず。
潜水橋という性質上、流失のリスクが高いことから、そもそも設置していないのかもしれません。
さてさて、現在では金属製の欄干が設置されているこの橋ですが、これでは
潜水橋としての要件を満たしません。
では
増水時にはどうなるのかと言うと…。
見えますか…?
もっと近くに寄ってみましょう。
可動式の欄干!
ちょっと感動。
90度に折れ曲がって、漂流物をやり過ごそうというわけですね。
とはいえ、完全にダメージを0に押さえられるわけではないようです。
ところどころに、その激闘の痕跡が…。
イタタタタ…。
果たして誰が、どんなタイミングで欄干を倒すんでしょうかね?
大雨や台風の際には、
川の中で必死に踏ん張って耐えている橋がいる事を、思い出してあげてください。
名所File No.M01
谷口橋南もぐり橋
営業時間:年中無休
所在地:静岡県藤枝市源助
交通アクセス:しずてつジャストライン 持田製薬前バス停より 徒歩10分