目覚める?“休”道

金谷新町連絡道

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短編 遠くでの啼き声がした。


今回行ってみたのは、島田市金谷新町にある謎の道。
この道の先はどうなっているのか?って事で、調査してみました。

で、いつもならここで地図を引っ張ってきて場所の説明をするところですが、今回の道は国土地理院の地図にもしっかり載っていて行き先やら何やらが全部バレてしまうのでね。
まあミニレポですからね。
気楽に楽しんで頂ければ。

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さてさて、やってきました道の入り口。
チェーンゲートの奥には、今回の道と共に緑の看板が見えています。

「この道は通り抜けできません。 国土交通省 浜松河川国道事務所」

なんでまたこんな所に国土交通省の立て看が?
という理由も、最後には判明しますよ。

んで、ご覧のとおり未舗装ながらも道は綺麗に整備されている様子。
この物件を調査リストに加えた時には、もっと荒れ果てていたような気が…?

金谷新町連絡道

とにかく進んでみましょう。
ひたすら順調に前進。

金谷新町連絡道

特に何のイベントも起こらないまま、道はまっすぐ続いています。
右脇には道に沿うようにして電線が。
この先に何か電力を必要とする建物・設備があるのかもしれません。

金谷新町連絡道

左側を流れる小さな沢に沿うようにして道は続いています。
この先で左へカーブ。

金谷新町連絡道

今のところ、入り口からずっと1車線が確保されています。
上の写真にも写っているトラロープはまだ新しい状態。

金谷新町連絡道

沢とは言ったものの、水量はチョロチョロとしたもんですね。

続く右カーブを越えると、見えてきました。

金谷新町連絡道

巨大堤にぽっかりと開いた穴。
道はあの中を通るようです。

金谷新町連絡道

近代的な土工でできた堤。
上部にはガードレールが見えており、この上を通るものが道路である事がわかります。

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真正面から。
急な登り勾配の箱型暗渠は、それなりに長さがあります。
一般的な利用は想定していないようで、中には照明器具など一切なし。
幅も高さも狭く、大型車両はさすがに通れないでしょう。

10m位は歩いたでしょうか。
ここを通過すると…

金谷新町連絡道

隠れ里!

なんて事があるわけもなく。
急な角度の車道と水路、その右手に小さな小屋が見えるのみ。

金谷新町連絡道

振り返っての撮影。
ちょうど逆行のお時間かよ…。
入って来た側は堤上の道路までかなりの距離がありましたが、こちら側は土被りがかなり少ない。
かなりの勾配で登ってきた、という事です。

金谷新町連絡道

さて向き直って、水路と小屋を。
水路はこの場所で真下に落ち、地中にある水路の中に消えていきます。
建物は何かの監視小屋か測量小屋のようですが、詳細は不明。
オレンジのパトライトが急に回り出さないかビビっております。

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国土地理院地図より

道はと言えば、少し進んだ先で小屋を回り込むように180°方向を変えている様子。
路面は常に湿った状態にあるらしく苔生しており、気を抜くと滑って転びそう。

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国土地理院地図より

180°カーブに差し掛かったあたりで、小屋の方向を向いて撮影。
小屋はどうやら無人であり、水路を渡る小橋もありますが とりあえず近づくのはやめておきます。
クリック後の写真に乗せた赤い線がこの先の道の続き。

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国土地理院地図より

もう少し進むとこんな感じ。
まるで未舗装の道路のようですが、おそらく土が厚く堆積しているだけでこの下はコンクリート舗装面のはずです。
ここで、クリック後の写真にある青線の方向にも道が続いているのを確認。

金谷新町連絡道 Click!
国土地理院地図より

さらに進んでそろそろ180°カーブも終わろうか、という地点。
もうお気づきでしょうけど、こんな感じで登りながら180°向きを変えれば行きつく先は…。
そう、先ほどの堤の上を走っている道路へと繋がって行くわけです。

と、言うわけで。
この道がどこの事かお分かりになったでしょうか?
ここでようやく、地図の登場です。

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国土地理院地図より

静岡県道381号 島田岡部線の、このあたりを入り口とする短い道路が今回の物件でした。
記事中の写真に写っている堤とその上を通る道路は、国道一号線・島田金谷バイパス
ちょうど牧の原第一トンネル牧の原第二トンネルの間の明かり区間に当たります。
この短い道は、バイパスに通じる連絡道だったわけです。
おそらく元々は、バイパス建設用道路として。現在では緊急時の脱出用ルートとして保全されているのでしょう。
そのため、ここは国土交通省の管轄というわけですね。



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国土地理院地図より

古い航空写真で確認してみます。
まずは昭和41(1966)年9月のもの。
今回の物件どころか、バイパスそのものがありません。
国一バイパスの中でも、この新大井川橋西詰 〜 夜泣き石交差点間(延長6.1 km)が暫定2車線で開通したのは、昭和46(1971)年1月20日のことです。

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国土地理院地図より

これは開通後の昭和51(1976)年2月の写真。
今回辿った道筋が、見事なまでに完成しているのがわかります。
バイパス下を潜っていた箱型暗渠も見えていますが、現在と同じサイズだとすれば『建設用』を名乗るにはちょっと狭すぎるような…。
せいぜい人や小型車両だけを通すのが目的だったのかもしれません。

ちなみに、接続部分をバイパス上から見るとこんな感じに見えます。

金谷新町連絡道 Click!
GoogleMap ストリートビューより

非常時の為に、こんな場所がある事を覚えておくと良いかもしれません。



とまあこんな感じのレポートになりました。
んで、今回なぜ急にこんな場所を取り上げたのか?
正直「とても怪しい入り口に興味があったから」というのが1番の理由ではありますが…。
もう一つには、国一バイパスの4車線化工事が始まると建設用・作業用の道路として再び活用され、立ち入りができなくなる可能性が高かったから。
金谷大代インターから菊川インターまでの区間は まだ正式な日程は決まっていないようですが、おそらくトンネルの掘削工事が近く始まるはずなのでね。
行けるうちに行っときました。

とまあそんなわけで、以上になります。





名所File No.M05

金谷新町連絡道

営業時間:休業中
所在地:静岡県島田市金谷新町
交通アクセス:JR東海道線 金谷駅より 徒歩15分




調査完了。





……もう一本あるんだよなー。
あっちは…どうしようかな……。







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