謎の橋桁
〜寺尾ばし〜
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短編・前 気がついたとき、橋脚は頭をおさえてすわっていた。
時は5月。
インスタのフォロワーさんである
『黒犬』様から、ある情報が寄せられました。
「今回、情報提供したいのは大井川支流の笹間川にある竹島集落の竹島バス停南西にある 寺尾ばし と言う吊り橋です。
小さな吊り橋ですがなぜか立派な石積の橋脚がひとつ。
立地的に幹線道路から下ったところにあり吊り橋周辺は急なカーブがあり森林鉄道のようにも思えません。」
笹間地区と言えば、
大井川中流域と
藤枝地区を結んだ歴史ある街道筋。
そこにあるのは いったいどんな橋なのか?
何はともあれ、行ってみましょう!

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GoogleMapストリートビュー より
さっそくやってきました。
ここは住所で言えば
島田市川根町笹間下。
字では
竹島という地区になるようです。
入口はこの写真の場所。
ここから下へ、笹間川の方へと歩いていきます。
茶畑の間を抜け、かなりの急坂を下ったその先に、件の吊橋があるというわけです。

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あれだ。
遠目に見る分には、
ごくごく普通の吊橋 なのですが…?

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吊橋に近づくと、そのすぐ手前に笹間川へ降りる分岐がありました。
ここを降りれば吊橋を横から眺めることができますが、まずは橋の方へ向かいましょう。
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橋の正面にて。
主索アンカレイジがありますね。
橋を渡るには、左側を回り込む必要があります。
現在地
これが
笹間川左岸側主塔。
そして情報にある通り、橋の名前は
【 寺尾ばし 】
手作り感に満ち溢れた主塔ではありますが、特に変ではない…。
そう、この吊橋の真の魅力は、横から見た時に
最大級(当社比)となるのだ。
ではご覧頂きましょう。
これが寺尾ばしの全容です!
現在地
(
大きいサイズの写真はこちら。)
おっふ。
吊橋なのに、橋脚あり。
これは いったい どういうこと?
現在地
まあまあ ここは100歩譲って、
「もしかして2径間の吊橋か?」とトボけてみるのも一興だろう。
しかし問題は、
中央の橋脚が 吊橋の構造に全く関係していない という点だ。
なのに踏板は、
この橋脚上に 完全に乗っているという。
で、
固定はされていない。
果たしてこれは、正しい姿なのか…?
では、順を追って見ていきましょう。

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再び
寺尾ばし の入口へ。
緑のペンキで塗られたCチャンネル材を組み合わせた主塔。
そして、誇らしげに掲げられた銘板には…
寺尾ばし
平成9年3月3日
という文字が。
そこまで古い橋…というわけではないようですね。
主索は主塔の上に担がれているようですが、興味深いのは 主索と共にある細いワイヤー線。
このワイヤーは吊橋本体のほうへは伸びておらず、主塔の上に固定されているっぽい。
ワイヤーの反対側はと言えば 主索アンカレイジと同じコンクリート基礎に固定されていることから、おそらくは主塔の倒壊防止のための保険的な機構だと推測されます。

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主な構造材はL字鋼で、踏板はエキスパンドメタル。
主索が 横桁に垂直に取り付けられたL字鋼を吊っています。
写真に写っている一番手前のそれは、フックが外れて 役に立っていませんけど…。
また、一応 手すりを兼ねたワイヤーが張られてはいますが 橋自体の横幅がそれなりにあること、そもそも手摺りの高さが低いこと などから、実用性はほとんどないように感じます。
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耐風索も備わっていました。
というわけで、こちらが耐風索アンカレイジ。
とても華奢です。
とまあ 全体的に見て、かなりの手作り感がある吊橋ですね。
いや〜好きだな、こういうの。
んで、実はこの
寺尾ばしより笹間川を遡る事 約800mの位置に、
「竹島の吊り橋」と呼ばれる別の橋がありまして。
*残念ながら現在は吊橋としての機能は失われ、主塔と主索を再利用した簡易ケーブルカーが設置されています。
(河童倶楽部様より)
(河童倶楽部様より)
ご覧の通り、どうやら
寺尾ばしと全く同じ構造なのです。
明らかに違うのは、上の写真のように 主索が2段階のアーチを越えている点。
これは農作業の軽トラックを通すためですね。
何にせよ、この2本の橋はおそらく
製作者が同じなのだと思います。
でまあ 第一歩を踏み出してみるわけですが…
現在地
揺れるねぇ。(嬉)
まあこれには理由があるわけですが、とにかく
縦揺れがすごい。
最初こそ やや怯んだものの、躊躇なく進みます。
現在地
それにしても、流石は
清流 笹間川。
眺めが実によろしい。
数歩進む間に気づいたわけですが、吊索をよく見ると 結構な割合でサボっているヤツらがチラホラ。
そりゃあ揺れるわけだ。
さらによく見れば耐風索と吊橋本体を結ぶワイヤーも所によってダルダル状態。
一気に不安になるってもんです。
足元右側には
塩ビ管が針金で固定されており、対岸まで繋いでいる様子。
水道か何かを通しているのでしょうか?
んで。
いよいよ核心部分へ!
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