謎の橋桁
〜寺尾ばし〜
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短編・前
短編・後
短編・後 吊橋はまるっきり人畜無害だった。
さてさて。

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ここが問題の部分。
中央橋脚の直上にやってきました。
この写真は上流側。

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こちらが下流側です。
クリック後の赤線が橋脚、青線が吊橋の踏板です。
橋脚を表す赤線が分岐しているのは、2段になっているからです。
これについては また後ほど。
と言うわけで。
接地してます。
各種ワイヤーも完全に乗っかってますよ。
しかし橋脚に固定されているわけではなく、本当にただ「乗っかっている」だけの状態のようです。
より正確に表現するなら、
「吊橋の真ん中あたりを橋脚が突き上げている」みたいな。
…どういうこっちゃ。
まあとにかく、一度 対岸まで行ってみましょう。
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橋脚を過ぎてから先が また
揺れる揺れる。
そもそも剛性のある構造ではないので、当然っちゃ当然。
先述したように、吊索も効いていたり効いていなかったりが交互にやってきます。
…大丈夫かな、この吊橋。
眼下には笹間川の澄んだ流れ。
ああ…泳ぎたい…。
この調査日は5月末。
新緑のモミジが目に映える頃でした。
現在地
こちらが 振り返って見た風景。
中央橋脚は吊橋に隠れ、ハッキリ見えません。
現在地
と言うわけで、こちらが
右岸側主塔。
構造的には左岸側と同じようです。
主塔を潜ると、掘割を通って道が続いています。
この道の先には これまた謎の構造物があるのですが…それはまた別のお話で。
現在地
これが右岸側の
下流側橋台部分になりますが、落ち葉と堆積物に埋もれていました。
コンクリート製の橋台は、2段になっているのが確認できます。
現在地
こちらが上流側。
通行人と共に橋を渡ってきた塩ビ管ですが…
その行く末を確かめるのを忘れてました…。
それでは、中央橋脚について詳しく調べてみましょう。
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笹間川へ降り、よく見える位置まで来ました。
見れば見るほど、
趣深い…。
全体の寸法などを図ってみたので、載せてみます。

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各部の寸法はクリック後の写真の通り。
あくまでおおよそですけど。
先述したように、一番上には段差があります。
集落側が下がった恰好ですね。

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角度を変えてよく見てみれば、一番上だけ まるで帽子を被ったようにモルタルのみになっていました。
現在地
ぐるりと回りながら、外観をチェックしてみます。
石を積み上げ、モルタルを裏込めしているようで、ほぼ石垣と言っても良いでしょう
野面積みの乱積み、に分類されるでしょうか。
水平に断面を取れば
『長円形』、いわゆる
小判型をしています。
おそらく増水時の水流に耐えられるように、丸くしてあるのだと思います。
なぜ3段階層になっているのかはわかりませんが、技術的な問題でしょうか?

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この橋脚、勝手に
『中央橋脚』などと名付けてしまいましたが、ちょっと左岸に寄っています。
クリック後の写真は
左岸側橋台。
こちらも、しっかり石垣然としていますね。
さてさて、この吊橋はどんな経歴を持っているのか?
…という基本的な情報を求めて各種資料を漁ったんですが…見つけられず。
年代のハッキリしている平成9年3月の広報誌なども当たったんですけどね。
もしかしたら、とても[個人的な物件]だったりとか…?
とりあえず 現時点での想像として、もともとの
左岸側主塔はあの
橋脚上にあったのだろうと思うのです。
実は橋脚上を調査していた時に、左右に穴があるのに気づきました。

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これが上流側。

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こちらが下流側。
ほじくり返しての調査まではしていませんが、ここに木製の主塔が建っていた可能性は高い。
となると、この橋脚上から右岸までは吊橋で 左岸までは木橋だったのでは?と思うのです。
イラストにするとこんな感じ。

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旧橋が架けられた年代がハッキリしていないので 何とも言い難い面はありますが、おそらくこんな構成だったのではないか?と。
そして先代吊橋が落橋か何かによって失われたため、両主塔を再建しつつ架け直した。
しかし左岸側が中央橋脚よりも低いままだったため、現在のような姿になったのではないでしょうか。
で、この仮説の場合「なぜ中央橋脚が必要だったのか?」という根本的な疑問が残ります。
これについては、技術的な面 あるいは予算的な面で「長大支間の吊橋を架けられなかった」という理由が考えられますが、想像の域を出ませんね…。
いずれにせよ、今後も情報収集は継続していく必要があります。
それから今回のレポートですが、次回掲載予定の『もう一つの案件』とセットでお楽しみ頂けたら幸いです。
気長にお待ちください。
(
大きいサイズの写真はこちら。)
名所File No.M09
寺尾ばし
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