大井川型吊橋への発展
柳崎橋
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第2話 調査員は雨に愛されている。
今話はいよいよ、現地調査編!
初代の
【柳崎橋】から探っていこうと思います。
まず、初代橋が架けられる前の当地の交通事情はどうだったのか?

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本川根町史 通史編3 近現代 より
これは
本川根町史に載っていた、
明治初期の陸上交通路の簡易図。
柳崎橋が架けられる前であり、もちろん該当部分に橋は描かれていません。
図にあるとおり、大井川の東西に並行するように 街道が整備されていたことが分かります。
大井川右岸(西岸)を巻くように通じていた
川根(西)街道も、まだまだ現役の頃。
このうち
富沢〜三ツ野〜千頭間は、国土地理院地図では徒歩道としての記載が残るものの、現在では通る人もいない
失われた区間となっているようです。
この区間は その険しさも相まって、初代柳崎橋の架橋によって その役目を終え、廃道に至ったのだろうと考えます。
(こちらの探索は、我が敬愛するWEBサイト
山さ行がねが 内の、
「三ツ野古道」にてレポートが成されています。)
では、その
初代柳崎橋とは どんな橋だったのか?!
と、ここで
バーンと写真など載せられたら良かったのですが、実は未だに資料が見つかっていませんで…。
もし写真などお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。
さてさて気を取り直して、
橋はどこに架かっていたのか?
これについては 紛れもない現物が答えを教えてくれます。
現行の柳崎大橋を千頭方面に向かうと、右手にそれがハッキリと見えるのです。
さあこちらが柳崎大橋。
ここから右手を見てみると

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これ。
初代柳崎橋 左岸側主塔。
とりあえず、もう少し近づいてみましょうか。
よく見えるポイントとして、橋の下を通る道路からの観察を試みます。

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現在地
というわけで、やってきました
柳崎大橋の下。
静岡県道77号 川根寸又峡線。
調査日は、
いつも雨。
これも日頃の行いの良さによるもの…
でしょうかねぇ…。
智者山軌道跡調査の時と同様、
合羽&長靴の雨装備で向かいます。
(あまりに酷い降り方で ろくな写真が撮れなかったので、本レポート中では 調査日当日のものと 後日再訪時の写真とを織り交ぜてお伝えします。)
ここで
主塔の方向(大井川下流方向)を見ると

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石垣の端に
階段 が用意されている…。
え?
これでいいのか?
いささか拍子抜けする感じで階段を登ってはみたものの、すぐさま試合終了…。
道は道でも
獣の踏み跡程度のスジしかありませんでした。
ここから突入していくのは、まあ最後の手段にとっておきましょう。
というわけで、県道を下流方向に向かって進みます。

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現在地
目標のある左の山手側はずっと低い石垣が連なっています。
途中には
駆け上がっていくような細い踏み跡がありますが、この雨では石垣をよじ登る事すら適わず。
一応上を覗き込んでみるものの、道筋はハッキリしません。
現在地
対岸を望む。
左手(下流側)には
大井川鐡道 大井川第三橋梁が、右手(上流側)には
柳崎大橋が見えます。
攻略目標の
初代柳崎橋は、この中間に位置していました。

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現在地
さらに進むと、いよいよ主塔の真下あたりに到達。
しかし山肌は急激に切り立った崖になっており、木々が邪魔している事もあって 見通しが悪い。
最短距離でアクセスするための徒歩道くらいは あるんじゃあないか?という期待も込めての初期調査ですが、そんなに甘くはありませんでした。

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現在地
主塔の下を超えてしまうと すぐに
大井川鐵道の線路があります。
こうなってしまうと、首尾よく主塔の高さまで登って行けたとしても 線路を跨がなければ目的地にたどり着けないわけで。
まあそれでも近くから様子を窺うことができれば、現在の『ノーヒント状態』を脱する事ができるかな、と。

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GoogleMap ストリートビューより
現在地
線路をくぐった地点で上を見上げると…、あれは…?
金属製の桟橋と手摺りが見えます。
高さ的には線路と同レベルっぽいな…。
しかし、ああいった構造物には見覚えがあります。
山歩きをする人にはお馴染みかと思いますが、あれらは
電力会社の巡視路でよく見られるもの。
目的の橋とは 直接の関係はないでしょう。
まあそれでも主塔と同高度の視座を得られれば、大きな手掛かりになるはず。
とりあえずあそこを目指してみましょう。

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現在地
一分も歩かないうちに、どうやら取り付きらしい踏み跡がありました。
で、そこから踏み込んではみたものの 1mも登らないうちに道筋が不鮮明に…。
まあ例の
桟橋の位置はハッキリしているので、やや強引に登っていきます。

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現在地
発見。
やはり
電力会社(中部電力)の巡視路でしょうねぇ、これは。

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現在地
桟橋は そのまま
大井川鐵道の線路脇へと続いていたので、ギリギリまで進んでみました。
普段はなかなか見られない光景ですねぇ。
お馴染みの蒸気機関車がここを通過する姿を想像するだけでもう…堪りませんな!
しかし実のところ、
土砂災害の影響で この区間は未だ
運休状態。(2025年現在)
イベントやメンテナンスなどの臨時運行に偶然カチ合わない限り、列車が来ることはまずありません。
今のところ いろんなことが復旧に向けた方向で動いているようなので、静かにその時を待つのみです。

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現在地
目線を上げれば主塔は目の前ですが、本線を渡るわけにはいきません。
運休状態で何も来ないとはいえ、ここは
第四種踏切(警報機や遮断機が設置されていない踏切)ですらない場所。
ギリギリの位置から観察するに留めます。
正面には朽ちた枕木が積まれていますが、どうもその横(川側)に道筋があるようです。
角度的に写真では分かり難いですが…どうやらそのまま主塔の近くまで、徒歩道が続いているように見えます。
おそらく この巡視路の続きでしょう。
主塔までたどり着けたなら、この道筋についても確認する必要がありますね。
ともかく何となく感触が掴めた(気がする)ので、一度 車まで引き返すことに。
結局、橋の下からの
直登アプローチルートは発見できませんでした。
では次の一手をどうするか?ですが…。
実は、
心当たりがある。
って 勿体付けるほどの事でもなくて、柳崎大橋を千頭方面に向かって走れば 誰にでも見える場所なんですけど。

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現在地
それは、
ここ。
一目でわかる白いガードが、奥の方(主塔の方)へ向かって伸びているんですよ。
ここを行くしかないでしょう。

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現在地
入口を振り返って撮影。
車輛一台分くらいの広さを持った道跡が、主塔の方へ向かって続いています。
次回 この道がどこへ向かうのか、確かめに参りましょう。
そんな感じで、
続く!
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