大井川型吊橋への発展

柳崎橋

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第5話 これは初代のお話ではなく、2代目のお話である。


さてさて、ようやく2代目柳崎橋 主塔へ。

柳崎橋
現在地

やっとこさ辿り着きました。
距離だけを考えると さほど遠い場所ではないのですが…。
とにかく、近づいてみます。

柳崎橋
現在地

いやはや デカい。

分かっちゃいたけど。
これまで調査してきた他の橋同様、かなりの高さがあります。

柳崎橋

ここまで近寄ると、もはや全体を写すのは厳しい。
ドローンでもあれば おおまかな高さの測定が可能でしょうか。

柳崎橋

すぐ横(山側)には、おそらく電力会社・ダム関連の設備があります。
これまで調査してきた中では中徳橋境川橋などにおいて、ダム関連設備による跡地利用が見られました。

柳崎橋

さてさて、当時の様子を想像するにあたって とても重要な手がかりとなる橋名板を探してみたわけですが…さすがに無いか。

唯一あったのは 上の写真のようなだけ。
しかもこれ、橋名板の跡…ではないよな…。
どちらかと言えば、2代目昭和橋の主塔にあったような速度制限・重量制限の標識に似た感じですかね。

何にせよ、当時の写真でも見ない限り この正体は判明しなさそうです。

柳崎橋

どうにかして良い写真が撮れないもんかと四苦八苦中。

足元からあおってみたり。

柳崎橋 Click!

ちょっと潜って、真下から撮ったり。
せめて天気が良ければなぁ…。

この写真には塔のすぐ背後(山側)が写っていますが、 そこに(そび)えるのはコンクリート擁壁。
ついさっきまで道を探してウロウロしていましたが、この擁壁の上を歩いていたわけです。

それにしても この擁壁は、主塔からの距離が近い
こうなると、主索はどこに固定されていたんでしょうか?
悪天候により目視が厳しかったせいもあるかもしれませんが、壁面には主索を固定していた跡を見つける事ができませんでした。
もしかしたら、後年になって作られたもの…とか?

しかしよくよく思い出してみれば、現在でも渡る事の出来る【恋金橋】もまた 主塔のすぐ背後に山が迫っており、主索はその山中に消えていました。
これは改めて、確認する必要があるでしょう。

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ここで、主塔の形状を観察してみます。
頭頂部は塔本体よりも一回り大きく、段差ができています。
塔上部には二つの窓が開いたような意匠があり、しかも その窓の下側はアーチ形状を描いています。
洒落てますねぇ。
さらにその下側には 左右の柱を繋ぐ梁があり、下側にのみ方丈型(?)の補強が入っています。

大井川流域に存在した吊橋で これに似たデザインの主塔を思い浮かべてみますが…今のところ該当なし。
強いて言うなら、3代目川根大橋(ふるさと本川根 目で見るふるさと百年史 より)か、現役の恋金橋(河童倶楽部様より)あたりでしょうか。
ただ、そのどちらも上部窓は3つだし、下側の梁もないし…。
こういったデザインに注目して、年代ごとの比較をしてみるのも面白いかもしれません。

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現在地

次は足元にも注目してみます。
って、写真が酷くて申し訳ない。

ご覧の通り段差がありますが、これが橋台にあたる部分でしょう。
そこをよく見ると…。

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固定用ボルト!

ご丁寧にナットまで残っていました。
ここには何が固定されていたんでしょうかね?

思い返してみれば、4代目境川橋の橋台にも同様の物が残っていました。
最も あちらは吊橋ではないので単純な比較にはなりませんが…。

前話で考察したように、このコンクリート製主塔は2代目柳崎橋(補剛吊橋)のものと考えられます。
となれば最も有力なのは、踏板(床板)に関係する何か、でしょうかね。

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主塔をくぐると、そこから大井川下流方向へ向かって徒歩道が通じているのがわかります。
おそらく これを辿って行けば、 第2話で見かけた線路の向こう側へと繋がっているのでしょう。
せっかくなので、行ってみます。

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一旦 下がってから また登り返すようなルートとなっています。
で、実はこの道…なかなかスリリング。
決して広いとは言えない道幅に接する右手は垂直の崖です。
眼下の車道まで、遮るものはありません。
こええええ。

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現在地

そして1分もしないうちに狭路とはお別れ。
懐かしい真っ赤なプレートガーター橋が見えてきました。
あの線路の向こう側が、つい先ほどまで立っていた場所で間違いありません。
左手には積み重なった(廃)枕木もありますね。
と、そのまま線路際まで来たところで満足したので、再び主塔へと戻ります。

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現在地

こちらから見た方が、より恐怖感があります。

柳崎橋 Click!
現在地

一番下がった地点からの景色がこれです。

柳崎橋
現在地

あっという間に主塔の下へ。
柳崎橋と大井川鉄道の第三橋梁がどれだけ近かったか、よく分かります。

ところで、写真を見て分かるように 今自分が立っている徒歩道は主塔をくぐった先の段(橋台)の所から始まっています。
つまりは吊橋が廃橋となった後に作られた道ということ。
やはりこれは、電力会社の巡視路なのでしょう。

柳崎橋

川側から見た主塔。
これもまたカッコいいですねぇ。

さてお次は、ここへ至るまでの取付道の解明です。

続く!




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