大井川型吊橋への発展

柳崎橋

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第6話 は傾き始めていた。


ここからは、橋への連絡道を解明していこうと思います。

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で、まともな写真が無いと言う…。

これは大井川下流方向を向いた写真。(柳崎橋が右)
写真でもわかる通り、橋の正面(写真左側)には崖が迫っています。
橋を渡り切った車輛は、その直後にこちらへ向かって直角に曲がるしかなかった事になりますね。
となれば、その通り道にはワイヤーなどがあっては邪魔なはず。
前話で確認した橋台のボルトなどは、やはり床板を固定するために使われていた可能性が高いです。

さてさて、現在 自分の立っている場所は車一台がラクに通れるくらいの道幅があり、これが連絡道跡として間違いないでしょう。
つまりは この道筋を辿って行けば連絡道の全容が見えてくるはず!

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…なのですが…。

本来の道幅がありません。

ここはちょうど、アプローチ時に上から降りてきたあたり。
スッパリと道が切れ落ちていました。

写真に写っている細い鉄柱と黄色いロープは、電力会社の巡視路によくある安全ロープ。

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このロープは、切れ落ちた斜面を降りたあたりで左へ折れ、大井川へ向かう方向、つまり川根寸又峡線の方へと向かっていました。
少し進んだ地点から、振り返ってこの辺りをもう一度見てみます。

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このような位置関係。
クリック後の青いラインが、連絡道の予想ライン
この地点でスッパリと落ち、痕跡さえもありません。

正面の急な斜面は当然 登るのも一苦労なわけで、プラスチック塊でできた土留めが打ち付けられ、簡素な階段が設えられていました。

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さらにもう少し進んだ位置から、全体を捉えてみました。
自分の足元に向けて黄色いラインを描いてはいますが、これは実際は あやふやな踏み跡程度のもの。
この先を辿っていけるような存在感はありません。

先に触れたように、電力会社の巡視路はジグザグな経路をたどって自動車道(川根寸又峡線)の方へ向かっています。
一旦、そちらへ行ってみましょう。

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こちらにも土留めがあり 階段状になってはいるものの、かなりの急斜面で滑りやすい。

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さらに降りると、急に目の前が開けました。
ここはどこだ?

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おお!
ここには見覚えが!

そう、第2話で あまりのツルツルさに登るのを辞めた あの石垣の切れ目地点じゃあないですか。(写真はありません)
どうやらここが、現在の柳崎橋主塔へと至る最短ルートになるようです。

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さてさて、連絡道の探索へと戻りましょう。
戻る…戻るんですが…。

ハッキリ言って、頼るべきものが何もない状態。
クリック後の写真に青いラインを描き込んではみましたが、高度を維持した場合のラインを想定しただけです。
それ以外の根拠は何もなし。
そのくらい、ここの地形は昔と変わってしまっているようなのです。

思えば、連絡道についての地図や資料などを まだ目にしていないのも事実。
唯一の手掛かりと言えば航空写真ぐらいでしょうか。

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これが、現在確認できている最も古いもの。
昭和22(1947)年9月1日に撮影された航空写真です。
橋の袂から大井川の上流方向(柳瀬地区)へ向かう連絡道が かろうじて写っています。
状況から考えて、おそらく2代目橋の頃
どうやら ほぼ水平に近い線形で、一直線に作られていたようですが…。

結局のところ、なるべく同高度のスジを想定して進むしかないようです。

柳崎橋
現在地

と言っても、電力会社の巡視路を外れてからというもの獣道すらありません。

柳崎橋
現在地

沢状になった地点を越える途中。
このあたり一帯が、ごっそりと抉れたようになっています。
なにやら少し上の地点に平場らしきものが見えるような気がしますが…おそらく錯覚。

柳崎橋
現在地

想定される高度に復帰したいところですが、雨のせいもあり足元が悪く、どうにも登っていく糸口すらありません。
最初にアプローチした古道へと 早々に上がっておくのも手ではありますが…、上から見下ろしながらの探索は錯覚するパターンが多く、意外と難しかったりするんですよね…。
目的の道筋からは どんどん下がってしまっていますが、仕方ない。
とにかく先へ進むことを優先します。

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ふと上を見ると、角状に組まれた石垣を発見。
これは…アレに似てるな。
そう。

橋台

もしこれが橋の跡ならば、当然その先にも…。

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…ある。

対称になる形で、石垣が。
間隔は約6m位かな?
状況や周囲の雰囲気からして、おそらく橋台。

「橋の跡だ!」

と言い切りたいところですが…。

…何か違和感。
どうにもしっくりきません。
そもそも、橋桁を乗せるための段がない…。
これでは どうやって橋を渡していたのか?

なんとも断定しづらい遺構ですよ、これは。

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橋跡(仮)を過ぎると、すぐに現行の柳崎大橋が見えます。
しかし周辺はもはやただの藪。
道の跡どころか、踏み跡も何も見えません。
おそらく柳崎大橋の建設時に 周囲一帯を造成したはずなので、これ以上の新たな発見は難しいでしょう。

そして柳崎大橋の近くと言うことは…

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探索スタート地点のここ。
石段の上に ようやく辿り着きました。

で、肝心の連絡道はと言えば、あの橋跡(仮)以降は追跡できず。
そのまま柳崎大橋に突っ込む形で うやむやになってしまいました。

とまあそんな感じで、お次は3代目柳崎橋の遺構へと向かいます。

続く!




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探索!ウラ話


ところで この季節、山の中の徘徊とくれば当然…。

くっついてるよ、ヒル

とりあえず目視で一匹。
しかし前回の智者山軌道調査鍛えられた と言うべきか。
慣れってすごいね。

「ああ、いたいた。」くらいの感覚。

とはいえ やはり嫌なものは嫌なので、塩水シャワーでご退場願いましたとさ。

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