大井川にある島に行きたい

神尾弁天

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追記編:第7話

第5話 川原のに上がる階段を登ると弁天様が見える。


まさかの弁天様!

神尾弁天 Click!

正直、その可能性は始めからあった。
古来から弁天様は川辺に居住すると言われ、そういった場所に祀られて 弁天島や弁天池などの地名となることが多い。
この島も同様に、弁天様が祀られているから“弁天島”と呼ばれているわけだ。
全国各地で祀られている弁天様(弁才天、弁財天)の由来については ここでは割愛します・・・というか、
複雑すぎて理解しきれませんでした。

改めてこの弁天様をよく見ると、口紅をしてらっしゃる。
琵琶を持った2臂像で、服をまとい 椅子か何かに座っているようです。
気になるのは、祠の古さに比べて どうにも新しい感じがすることでしょうか。

祠

祠の屋根部分になにやら模様が彫られていますが、はっきり見えませんね。
何の模様でしょう?

とりあえずお賽銭を供えて、お参りを。

で、ここでちょっとばかり失礼して 既に供えられているお賽銭を見させていただきました。
その中に1枚だけ平成26年の硬貨を発見。
ということは、その年より後で ここへ参拝した方が他にもいるということか。
これを書いている今 猛烈に後悔しているのは、 令和4年の硬貨をお供えしてくればよかった と云う事です。

木札

弁天様の横に いくつかの木札があるのが目につきます。
古いものと新しい物。
どうやら、ここを祀っている寺院等の記録らしい。

納旧木像光明院
維時 平成六年甲戌八月十六日

と書いてあり、その下には区長とか、関係者の方々について記載してあるようです。
古いものは陰に隠れてまったく読めません・・・。
どうにも余所者の自分が 勝手に手に取るのも憚られるので、見える範囲だけにしておきました。(お賽銭は触ったくせに)

ここでふと思ったのは、先述のコンクリート構造物について。
あれはもしかして、工事やダムの関係のものではなく・・・。
この弁天様にお参りする人たちの為の参道だったのでは?と云う事。

そうであれば、なんだか嬉しい。
また来たい、と感じる場所でした。



さて名残惜しいですが、島を降ります。
島を降りて東側の眺め。

東の眺め

正面の山肌に島田川根線が見えます。

そして、島の東端。

Click!
Google Map 航空写真より

祠は全く見えません。

そうそう最後にもう一枚、北側のダム施設と断層のコラボレーションを。

東の眺め

さて、道の入口だろうと見当をつけた山裾の藪付近に戻ってきました。
最初にここに来た時の感想として“嫌な予感がする”と書きましたが、やっぱり不自然。

入口?

幅が広すぎる。

これは踏み跡とか道とかそういう感じではなく、
もしかして、重機の通り道では?

まあ だからと言って人の通り道とは違うわけでもなし。
とにかく山の方へ向かいましょう。

謎

で、1分ほど歩いて山の麓。
こんな感じで石積みの堤が上流へ向かって緩やかにカーブを描いています。
これは増水時の導水路のようなものでしょうか。
山の側には蛇篭でできた岸が見えています。

うーん、やっぱりどうにも“道”ではないような。
もし違うのであれば、復路の予定が狂うわけですが・・・。

山の麓

さらに山に近づいてこの景色。
と、左手に何か見えてきました。

施設

うーん、これは?

どこかで書きましたが、ダムや治水の設備についてはよくわかりません。
銘板にはスライドゲートと書かれています。

銘板

製作年月は昭和62年3月。
三重県の宇野重工株式会社と言えば、インフラ系の老舗企業。
具体的にどういう使われ方をするんでしょうか。

で、肝心の登り路ですが…。

周辺

周りをひたすらウロウロして探してみますが、ありませんねぇ・・・。
写真のような獣道らしきものはありますが・・・。

ここへ来るまでに通ってきた藪の中の道は、どうやら この施設のメンテナンス用のものだろうと推測。
となると来た道を再び戻るしかないようです。

登山

そんなわけで特に書くこともないので、元来たルートを辿って 山登り状態に。
いやはや厳しい。
まあ それほど急斜面というわけでもないので 登れない事はないんですが。

登山

しかしやっぱり冬で良かった。
もうちょいこれが暖かい季節だったら、蜘蛛の巣に悩まされたことでしょう。

まあとにかくGPSを頼りに ひたすら登り続けます。
そして登り始めてから わずかに15分。

復帰

復帰!
往路はここ(黄色矢印)から入って行きましたが、復路はここ(赤色矢印)から出てきました。
まるで異世界から戻ってきたかのような不思議な感覚。

帰り道

帰り道、既に日が落ちかけています。

とここで、今日初めて 地元の方と遭遇。
挨拶しながらそれとなく聞いてみました。

「この辺で、大井川に降りる道を ご存じないですか?ここの山の所とか・・・」
「いや〜、無いねぇ。そこの山にしたって、こうでしょ?

あー、えーと・・・。

確かに(笑)

というか、結論として やっぱり道じゃなかったんだな。

「あ、もっと下の方に行けば・・・大井川へ下りられる道が・・・んー・・・。」

・・・あるのね?

でまあ この時点での目的は達成されていたという事と、さすがに疲れてぐったりしていたせいもあって
詳しく突っ込んだ話を聞かなかったんですよねー・・・。
ただただ後悔・・・。

神尾集落

突然 現れた怪しい来訪者を相手してくださった事に ひたすら礼を言いつつ、帰路に復帰。

神尾集落をのんびり歩きながら 色々と考えを巡らせたわけですが、先述の「大井川へ降りる道 云々・・・」という会話部分。
後で思い返してみれば聞き方を間違えたかも。
例の神尾弁天島の事を言う前に、ただ「大井川に降りる道」と聞いてしまったので
アプローチAで行った“車で降りて行く道”の方を教えてくれた可能性が高いのだ。

探索自体は最高の結果に終わったものの、自分の心の中には後味の良くないものを残すという この不甲斐なさよ。
自分の中のこのモヤモヤが晴れない限り・・・

まだ終われないでしょ。








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