現代に続く三弦の橋
万世橋
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第2話 高い主塔の夢を見ていた。
再び大井川を渡って、
徳山へ戻ります。
歩道橋のやや上流側に聳え立つ、巨大なコンクリート構造物。
【旧万世橋主塔】
国道362号線上からもチラリと見えるため、この遺構をご存知の方も多いと思います。
堂々たる姿。
目立った剥離や大きな損傷部分も無く、とても綺麗な状態に感動すら覚えます。
正面から。
外観的には、どことなく
2代目下泉橋の主塔に似ています…かね?
このあたりの追及は次の第3話に取っておきます。
で、ここにはしっかりと橋名板が残っていました。
ますはこちらから。
まずは上流側。
【萬世橋】という名前を知っているから読めるものの…。
それにしても、前話で書いたばかりの“橋名板の決まり”をさっそく裏切ってきましたね。
まあこれは
年代が古い事による規定の変化、という事なのでしょう。
となると、「漢字で書かれているから こちら側が起点だ」とも限らないのか…。
対岸の銘板がもし残っていれば、また色んな事が見えてくるはず。
Click!
そして下流側。
【昭和24年1月竣功】
これは奇しくも
2代目下泉橋の竣工と同じ年ですね。
何か関連性があるんでしょうか?
藪が酷いせいで大井川はほとんど見えません。
実はこの後、
遺構が他にも無いかと思ってしばらく周囲をウロウロしてみたのですが何も見えず・見つからず。
こういった探索では、
時期も重要なのだと実感。
一旦こちら側の捜索を切り上げ、
対岸(元藤川側)の旧主塔を探しに行きたいと思います。
この旧主塔のまっすぐ反対側と言えば…。
Click!
あの森が怪しい!
さっそく、あの森の調査へ向かいます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…自分、ここで盛大に勘違いをしております。
これは後の歴史調査編で気付く事になるのですが…。
そりゃ見つかるわけないんだよな…。
そんなわけで、今しばらくお付き合いください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
再びやってきました
元藤川。
橋を渡ってすぐに右折します。
ここは、その名も
【町道万世橋線】。
またすぐに右折して、例の森の方向に向かいます。
すると この道はまた違う路線らしく、
【町道藤川診療所線】という表示がありました。
で、森の入口と思われる場所に辿り着いたわけですが…。(
現在地)
パッと見ても、そんなに大きなコンクリート構造物は無いような…?
中に一歩足を踏み入れると、
空積み(モルタルなどを使わずに石を組んで積み上げる)・
野面積み(自然石をほとんど加工しないで積んでいく)の石垣によって一段高いところに祀られた祠や、
明らかに人為的に盛り上げられた土地、コンクリート製の何か、小さな石積み、などなどが目に付きます。
が、お目当ての
右岸側 旧万世橋主塔は全く見当たらず。
む〜〜…。
入って来て右手(下流側)奥に 下り勾配の道が続いていたので、そちらへ向かってみます。
すると、すぐに道は丁字状になっていて行き止まり。
ここで右手を見ると
Click!
こんな感じ。(
現在地)
茶畑の中を通るこの道は、先ほど調査した歩道橋への接続道と繋がっていました。
反対側(左側)を見るとそのまま大井川へ通じているようなので、左折してみます。
途中、お墓が数基立っており、その脇をすり抜けて、
そのまま進むと、大井川に出てしまいました。(
現在地)
Click!
振り返っての一枚。
ここで
目的のアレが見つからなければ、それは
“無い”ということ。
既に高さが低すぎる…。
何でもいいから手掛かりがないかと周囲を探索しますが、見つけたのはこれだけ。
Click!
静岡県の用地杭。
残念ながら、どうやらこの森の中には
「元藤川側の主塔は無い」という結論に達しました。
とにかく気を取り直して、今度は
徳山側の主塔付近を大井川の中から観察してみることに。
下泉橋の例もあるし、
耐風索アンカレイジ跡が残っている可能性もゼロではありません。
しかし残念な事に、この日の大井川は
濁流。
川岸に近づくにも距離的な限界がありそう。
とにかくひたすら河原を歩き、やってきました限界距離。(
現在地)
何かが見つかるか…?
Click!
ん〜〜〜……。
石垣…くらいしか…。
どう目を凝らしても、植物群に阻まれて
何かを探せるレベルにはありません。
せめてもっと近づきたいところですが、足元は
渦巻く濁流…。
どうやら流れの収まったころに再訪問するしかないようです。無念。
これが、大井川から見た旧主塔。
もっと外観を詳細に見たいところですが…。
最後に、振り返っての一枚。
今回の探索は空振りに終わってしまいましたが、なんだか良い雰囲気の写真が撮れたので
良し。
これにて撤収します。
次回は、
歴史調査編!
今回の物件、むしろ本番はここからですから!
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