民営森林鉄道の先駆け

智者山軌道

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第11話 十票入った。黒板に「」の字が二つ、縦に並ぶ。 〜前編〜


今話は主に現地のレポートになります。
掲載している写真の縁取りが青ならば終点(度合)向き、橙色ならば起点(小長井)向きの振り返っての写真、と捉えてください。

レポート EP.11
智者山軌道

全体マップはこちらから。



前話の続き。

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現在地

さて、いよいよこの旅も第2期工事区間の調査へと移行です。
まずは旧川根東街道を通って、川の反対側へ行かなければなりません。

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現在地

下を覗き込むと、ご覧のとおり。
流れに侵食され、険しいゴルジュが形成されています。

こりゃすげえ。

と、すぐに ここを渡る橋が見えてきました。

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現在地

馬 路 橋(ま じ ば し)

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どちらの写真も、小長井側の橋名板です。
(左が下流側、右が上流側)
昭和32(1957)年10月竣功。
これはそのまま、旧川根東街道が自動車道として改修された時期と考えても良いのでしょうか。

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これが静岡側の橋名板。
(左が上流側、右が下流側)
これまたカッコいいですねぇ。
下流側は残念ながら破損していました。
おそらく、対角の物と同様に竣功日が書かれていたはずですが…。

ちなみに ここから遥か上流、現行の 川根東街道(国道362号)上に架けられた橋は、馬路大橋(まじおおはし)と名付けられています。


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現在地

橋の袂には、こんな看板がありました。

一級河川 小長井河内川 起点

となれば、こちらが [ 本流 ] ということですかね?
軌道跡のすぐ下で合流してくる支流も、地図上では同じ「小長井河内川」と表記されています。

さて、振り返って 橋と街道を眺めてみます。

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長く続く石垣の量が、ハンパじゃない。
当時、この街道がどれほどの重要度を持って整備されていったのか伺い知れます。

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橋の上に戻って、こちらが川の上流の眺め。
どこまでも深い峡谷が続いています。
大きいサイズの写真はこちら。)


橋を越えてすぐの場所にはこれが

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大日如来坐像

工事の無事を祈って建てられたのでしょうか?
大日如来といえば、密教における最高位の仏様。
結んでいる印相(手の組み方)で金剛界の大日如来なのか(智拳印を結ぶ)、胎蔵界の大日如来なのか(法界定印を結ぶ)がわかるのですが、そのどちらでもない合掌印を結んでらっしゃいます。
ま、こまけぇ事は気にすんなよ!ってとこですかね。

*** 追記 ***

川根本町 資料館やまびこ の職員の方から情報を頂きました。
こちらの大日如来像も、交通事故被害者の慰霊のために建立されたものだそうです。

*** 追記終わり ***

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さて、先へ進みましょう。
まずは軌道馬路橋の右岸橋台を確認したいところ。
なんとか下に降りて、軌道跡を辿る必要があります。

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街道が大きくカーブしている地点。
ここは比較的緩やかなので降りられそう。

見ての通り、杖代わりの木が数本置いてありました。
登山者がこんな所を通るのか…?

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下を覗き込むと それっぽい平場のようなものを発見。
さらに足元には、下へ向かって行く徒歩道らしきものが なんとなく見えています。
これを辿ってみましょう。

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現在地

で、右上から降りてきたわけですが…。

???

ハテナマークが飛び交います。
交差点か?ここは。
軌道跡っぽい道筋があるにはあるが…。

何にせよ、まずは起点方向へ戻って 橋台跡を確認するのが最善手のようです。

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現在地

地図を見る限りは、橋からそう遠くない地点のはず。

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あれ…?
なんだか、前方の景色が怪しい。

まるでストンと切れ落ちているかのような…。
あそこが橋台跡なのか?!

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先端まで来た!
…が、何かがおかしい。
橋台跡にしては、角度的に対岸を向いていないじゃあないか。

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いやいやいや・・・、そりゃないぜ…。

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