民営森林鉄道の先駆け

智者山軌道

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第14話 「いよいよだな。ああ、なんだかドキドキしてきたよ」 〜前編〜


今話は主に現地のレポートになります。
掲載している写真の縁取りが青ならば終点(度合)向き、橙色ならば起点(小長井)向きの振り返っての写真、と捉えてください。

レポート EP.14
智者山軌道

全体マップはこちらから。



前話の続き。

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現在地

(白々しくも)大崩落地を越える事に成功!
追及の旅は、まだまだ続けられそうです。

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終点の度合(どあい)まで、約1.2km。
このまま林道を突き進みます。

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先ほどの崩落地を境に、林道の様相は一変します。
道幅はトラックが通行するのに十分な広さを持っていますが、轍が全くと言っていいほど残っていません。
どうやらかなり長い間、人の往来が無いようです。

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ここにあったのが、『こぼれ話』でも取り上げた 珍しい形の2連暗渠。
軌道時代からあったのか、林道化に際して作られたのか?

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「崩落地を越えてから道が荒れ始めた」と表現するしかないわけですが、そもそもが未舗装林道。
しかも街道として利用されていたものではなく、あくまで木材搬出用の作業道です。
“綺麗に保たれているほう” だと考えるべきでしょう。

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ここが元は軌道跡であった説が正しいならば、自動車道(林道)として再整備された際には道幅をかなり広げたはず。
およそ倍くらいは広げたでしょうか。
その場合、川側に広げたのか 山側に広げたのか?

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川側に広げたのならば、擁壁として残っている土留めの石垣は林道整備時代の施工という事になるのか。
対して山側に広げたのならば、軌道時代の工事跡は山側には残っていない事になりますかね。
工事の作業量としては山側を削る方が楽なのだとは思いますが、実際はどうだったのでしょうか。

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ここで ふと下を見ると、広々とした平坦地を見つけました。

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少し戻った位置で、下へ向かう徒歩道を発見。
寄り道して降りてみます。

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正直、「終点か?!」と素直に喜んでしまいました。
なにしろ調査時はまだ、「林道下並行説」が頭にあったので…。
林道に入ってから この地点まで、軌道を通せるような余地すらないほどの断崖地帯を 何度も見てきたのにねぇ。
調査3日目などはここを終点と勘違いして、 さんざん撮影しまくった後に引き返すという醜態を晒しました。
これが誤りだったことに気付いたのは、帰宅して写真をまとめていた時。
GPSを確認していれば、あるいは地図をちゃんと見ていれば、間違いだと気付いたはずなのだけど よほど疲れていたらしい…。
しかしここはここで、「なんらかの集材や簡単な加工をしていたのでは?」と思わせるに十分なほどの広さを持っていたのも事実です。
大きいサイズの写真はこちら。)

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再び林道に戻ります。
すなわちここからは、全て調査4日目の撮影。

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山側の斜面は ほとんどの区間で崩れていて、本来あるはずの道幅を狭めています。

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しかし川側はと言えば 石垣の擁壁がかなり堅固であるらしく、しっかりと当時(軌道時代のものかは分かりませんが)の状態のまま残っているようです。

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おっと…。
なんと言うか、急に荒ぶりだしたぞ。

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先ほどのカーブを境にして、林道は本気を出し始めたようです。

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沢になっている場所は、悉く土砂の洗礼にさらされています。
軌道時代は桟橋で超えていたのだろうと思いますが…。

この山側の工法は、何と呼ぶんでしょうかね?
「沢水が地肌をこれ以上削り取らないように、樹脂のマットのような物で水路を作っている」という説明で合っているのか?

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そういえば何話か前の【こぼれ話】にも書きました、ヒル対策について。
もちろんこの日も、レインウェア上下+長靴+塩水吹き付けという全身コーティングを怠ってはいません。

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そのおかげか、しばらくは あの不快なウネウネを見ずに済んでいましたが…。

どうやら このあたりからが本番らしい。

悪天候が続いたせいもありますが、林道一面を覆っている苔類との相乗効果で 周囲に乾いている場所は無く、文字通り「巣に飛び込んだ」格好となってしまっています。

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どうも、徐々に侵略されつつある気がする。
それを感じて 数分おきに自分の足元をチェックするようになったわけですが…。

確実に付いている。
足元に。


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定期的な塩水コーティングのおかげか足首より上には登ってきませんが、なかなか精神的にキツイ。
いくら特効薬とは言え、塩水シャワーを直撃でもしないかぎり 奴らは即死しないのです。
今のところ長靴エリアを越えてくるツワモノはいないようですが…。

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小規模な 堰堤 を発見。
ここまでずっと川が見えていたわけではないので、見落とした堰堤もあったかもしれません。

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印象的なシーン。
ここを越えるのに やや苦労しました。
伐採された木材…ではありますが、これはどう考えても 上から落ちてきたもの。
全面がコケに覆われている様子を見るに、かなり昔のものらしい。

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