民営森林鉄道の先駆け
智者山軌道
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第12話 地中の穴に一人のレールが棲んでいました。 〜前編〜
大事件です。
このレポート中で何度もお名前を出させて頂いている
amehataF.氏からメールが!
前話で未解決となった8の字カーブについて、ご自身が踏破された際の記録を教えてくださいました。
その情報と自分の調査記録を擦り合わせたところ、まるでパズルのピースが嵌っていくかのように全てが繋がって…!?
そんなわけで今話は、前半が『自分の探索記』、後半を『答え合わせ』のような形でお届け!
さあ、第12話 始まるよ!
今話は主に現地のレポートになります。
掲載している写真の縁取りが青ならば終点(度合)向き、橙色ならば起点(小長井)向きの振り返っての写真、と捉えてください。
レポート EP.12

全体マップはこちらから。
注:調査3日目(晴天)と4日目(雨上がりの曇天)の写真が混ざった状態でのレポートとなります。
では、前話の続きから。
現在地
8の字カーブを辿ることはできませんでしたが、とにかく先へ進むことを優先します。
さて、実際の踏破記録や僅かな資料とを付き合わせた結果、
「智者山軌道の後半区間は奥日掛林道に改修された」という結論に傾いている状態なのですが、この現地調査時には そこまで考えは纏まっていませんでした。
林道の少し下、もっと小長井河内川に近いラインを辿っていたんじゃあないか?という感覚もあったからです。
果たして
「奥日掛林道への改修説」と
「林道下を並行説」のどちらかが正しいのか?
現在地
ご覧のように林道は、
通行止めになっているとは思えないほど綺麗に整備されています。
ここより先にも間伐作業を行った形跡があり、近年でも作業者の往来があるようです。
で、前話でも書いたように、2番目のヘアピンカーブについて
「やや膨らんだのちに奥日掛林道に合流する流れ」には思い当たる部分がありました。
まずは地図上で見てみましょう。

Click!
林道に入ってすぐの地点で、図中の橙色のようなライン取りをした窪みを見ていたのです。
A地点からこの窪みをみた写真がこちら。

Click!
この場所の背面方向の写真を撮っていれば大きなヒントになったはずなのに、なぜ撮らなかったのか自分。
そして、
B地点からの写真。

Click!
こんな感じの地形なんですよ。
ちょっと自然にできたものとは思えない。
これってもしかして、
人工的な掘り割りではないだろうか?
ただまあ軌道跡と言うには若干狭いような気もするしなぁ…。

Click!
左が窪みで、右が林道。
「窪みルート」は、林道よりも緩い上り勾配です。
本当にこれが
軌道跡だったならば、窪みの両側斜面には何かしらの土工の跡や石垣などがあるはず。
ただ現地調査時は「なんだか怪しい地形だなぁ」と感じた程度で、実踏まではしなかったんですよね…。

Click!
こちらが、
C地点から
“抜けた先”を見たもの。
謎のラインが林道とクロスした後、やや左側に膨らんでから林道に合流しているような、そんな流れが…見えませんか?
って、ただ自分がそう見たいだけ、なんだろうなぁ。
何にせよ この
「窪みルート」が軌道跡であったなら、
「奥日掛林道への改修説」が一気に優勢となります。
現在地
しかしまだ、
「林道下を並行説」も切り捨てるわけにはいきません。
少し下を覗き込みながら、林道を進みます。
現在地
ただ残念なことに、前話で取り上げた
【紛れ】による擬態は依然として続いていまして…。
間伐材に視界を遮られ、
それっぽい平場を探すなど夢のまた夢。
おとなしく林道を歩くだけの時間が過ぎていきます。
現在地
それにしても落ち着いた良い雰囲気。
どこまでも澄んだ空気が周囲に満ちています。
結局、この智者山軌道の調査においては 誰一人として出会う事はありませんでした。
現在地
林道のすぐ左側(小長井河内川側)は急峻な斜面。
崩れている所も少なくありません。
そして林道に入ってから約300mほど進んだ地点。
ゆるやかな左カーブで下を覗いた時でした。

Click!
現在地
…平場がある。
何やら見慣れた感じの平らな地形が、スッと伸びていました。
相変わらず間伐材で斜面が埋め尽くされていますが、それでもやや疎ら。
どうにか降りられないこともない…ような…んーー。
間伐のための作業路、という可能性もあるけど…
行くか!

Click!
立ち木をうまく利用して、急斜面をひたすら下ります。
途中で振り返って、林道を見上げるとこんな感じ。
空振りだったら、ここをまた登る事に…。

Click!
現在地
そして強引に斜面を下ってきた(10m以上?)自分が今いる場所。
おおお、これは…?
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