民営森林鉄道の先駆け

智者山軌道

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第5話 霧が晴れたとき、元の世界にいるとは限らない。 〜後編〜


今話は主に現地のレポートになります。
掲載している写真の縁取りが青ならば終点(度合)向き、橙色ならば起点(小長井)向きの振り返っての写真、と捉えてください。

レポート EP.5
智者山軌道

全体マップはこちらから。



さて、旅を再開します。

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現在地

せっかく良い風情なのですが…。
ここにも色々と落ちている(捨てられている)のが残念。

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現在地

ここまで来ると ようやく様相が落ち着いてきました。
しかしどうにも、想定される路面幅より狭いまま。
やはり土砂崩れや長年の堆積などで半分ほど埋まっているのでしょう。
軌道跡は鮮明ですが、路盤自体は無事では済まなかったようです。

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現在地

!!!

良い!!

突如 霧に包まれたと思った次の瞬間、そこに幻想的な世界が出現!
もしやこれが、ご褒美タイムというやつなのか?!
一気にテンションが上がります。

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幻のような光景に見惚れているうちに、霧が晴れてきました。
真っすぐに伸びた杉林の中を、一直線に奥へと向かう軌道跡。
その途中にあるのは次の排水路ですが、路盤を乱暴に蹂躙することなく、一部としてうまく吸収しています。
せっかくなので、大きいサイズの写真を用意してみました。

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現在地

排水路に近づいてみます。
軌道跡によって生じた段差を うまく緩衝の段として活用している(ように見える)排水路は、ここから僅かな区間だけ石垣水路に切り替わり、その下で再びU字水路に戻っていました。
ただ、コンクリートのブロックによって 短いトンネル状になった石垣水路は完全に詰まっており、有事の際には全く役に立ちそうもありません…。

これは一体、いつ頃の施工なのか?
どの辺りが当時モノなのか?
それとも全てが無関係で後年に作られたものなのか?
現時点では まだ判明しておらず。

ふと上を見ると、旧川根東街道を視認する事ができました。
近い。

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周囲を観察しつつ ゆっくり進みます。
山側の路肩には、土留めの為と思われる 背の低い石垣が散在。
面白い事に これまで見てきたような練石積の石垣は少なく、乱雑に石を積んだだけの簡易的なものが多いようです。

正直、この区間は あまりにも奇麗な直線過ぎるので、「後年になって全面的に造成された区間なのではないか?」「軌道跡と思っている この平場も、実は全く無関係なのでは?」と疑ったりもしました。

しかしこれらは どう見ても年代物。
智者山軌道の現役当時に作られたとすれば、やはりここが軌道跡で間違いないはず。

で、2本目。

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現在地

再びの排水路
2連続。

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現在地

構成は1本目とほぼ同じでした。
トンネルが完全に詰まっている点も含めて。

そして、ここを越えると…。

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現在地

不穏な空気、再び。

どーなってるんだ?この先は。

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現在地

なんと、またもや排水路。
しかもちょっとデカい?!

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現在地

なんとここは、Y字の排水路でした。
面白い。

智者山軌道

合流地点より下は かなり太い石垣排水路に変わっていました。
小長井河内川まで一直線の、巨大滑り台。
怖ぇ…。

んで、当面の問題は この先だが…。

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全く、無い。

ここまで辿ってきた道程をそのまま真っすぐ伸ばしただけでは、軌道跡と思われるような地形を見出すことはできません。

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唯一それっぽい地形があるにはあるが、ちょっと高すぎる…。
しかも急激に登りすぎでは?
こちらが正しい軌道跡だとすると、たった今 通ってきた直線区間すら否定されることになってしまうが…。

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現在地

他に頼る道もないので、まずはそのラインに近づいてみます。
現在地はY字排水路の中間地点。

さて、(仮)の地形に近づいてはみたものの…。
やっぱり急激に登りすぎているな。
どうやらこれは お目当ての軌道跡ではないようです。

智者山軌道

さらに次の区間を視認できそうな位置まで一旦進み、その後、正規ルートと思しき高度まで下がってみます。
足元も覚束ないような急斜面。
再び軌道跡に復帰できることを祈りつつ前を向きます。

…前を…。

智者山軌道
現在地

うわぁ・・・。



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探索!ウラ話


今回の探索では時期を狙ったかいがあったのか、運よくマムシに出会うことはなかった。
なので今回はヒル、それも山ヒル(ヤマビル)についてのお話。

まずは、『平気な人』だけ↓こちらをどうぞ。

Google画像検索(閲覧注意)
Wikipedia(閲覧注意)
ヤマケイオンライン(閲覧注意)

山ヒルは登山者などに取りつくと、前後2か所の吸盤を使ってシャクトリムシのように体の上の方に上がって行きます。
なんと、動物が呼吸する際に発する炭酸ガスに反応して寄ってくるのだとか。
熱じゃなかったのか…。
休憩中に地面に置いたザックを経由して取りつかれるパターンも多いので、油断は禁物。

で、衣類の隙間から もぐりこんで皮膚に到達すると 固いところを避けて傷口や肌の弱いところを探し出し、喰い付く。
咬まれてもヒルの唾液には麻酔成分(ヒルジン)があるため痛みを感じないまま血を吸われる、と。

おおぅ…。

さらに血液の凝固作用を妨げる成分も含まれているため、吸血痕からの出血を見て気がつく場合が多い。
流血が広がりやすいものの、その傷は数日で治る。
ヒル自体には毒性はないといわれる。
などなど。

う〜〜む……。


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