民営森林鉄道の先駆け
智者山軌道
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第13話 カーブを曲がったところで、吉兵衛はすぐに異変に気づいた。 〜後編〜
今話は主に現地のレポートになります。
掲載している写真の縁取りが青ならば終点(度合)向き、橙色ならば起点(小長井)向きの振り返っての写真、と捉えてください。
レポート EP.13

全体マップはこちらから。
そして、次のターゲットは
下に落ちているレール!
現在地
というわけで、なんとか安全なルートで降りてきました
崩落地の下。
あ、良い子は絶対に真似しちゃダメなやつね。
しかし周りを見渡してみても…
レールが1本しかねぇ!
amehataF.氏 撮影
amehataF.氏の情報によれば、「数本のレールが落ちていた」ようですが…。
今回の調査までの間に、さらに下へ流されてしまったのか?
まあまあ「1本残っていただけでも奇跡」と…思うしかないよな。
これを
【レールC】として、さっそく調査してみましょう。
と言っても露出しているのは斜面の上側だけで、下側は土砂に埋もれています。
全体の長さが分からないため、およそ何割が埋まっているのか見当もつきません。
試しに持ち上げてみようとするも、当然のように
『重い』
「現場は なるべく現状維持」という考えが根底にあるので、全力で引きずり出したりはしませんでしたが…。
先端は、
レールAと同様に
ペーシ(継目板)が残っています。
もっとも、こちらは錆でボロボロの状態。
レールCは
レールAと比べて全体的に腐食が酷いです。
このレールCも、元々は地中にあったのでしょうか?
一般的に鉄は地中でも錆が進行しますが、掘り出して空気中に晒すと一気に劣化が進行し変形・崩壊したりするらしい。
今回見つけたレールが いずれも同時期の物と仮定した場合、
「レールCも地中に埋まっていたが、レールAより先に地上へ放り出されたため腐食が進行した」と考えられなくもない。
まあそれにしてもこのレール、
華奢だ。
錆が酷くてかなり痩せ細っているとしても。
実際の寸法はどうなっているのか、測定してみましょう。
状態が状態なので
小長井製材所跡での測定のようにはいきません。
どうにか測ってみましたが、これは製材所跡にあったレールと比べて一回り小さいようです。
この値を
JIS規格票と照らし合わせてみると…。(
kikakurui.com様を参照。)
6kgレール!
資料と一致する!
どうやらこれは
智者山軌道のものである可能性が高いですね。
ただ、
小長井製材所跡に残されていたものは サイズ的に見て
9kgレールだったので、それはそれで謎なのですが…。
何にせよ、出所がレールA・Bと同様に
「崖の中から」とするならば、
「なぜ?」という疑問からは逃れらません。
単純に
“回収不可能だったから放棄された” という理由ではちょっと足りない。

Click!
これが、下から見上げた崩落地の全容。
生えてるレールA、Bは、ここから見ると針金のごとし。
10mくらい上でしょうか。
枕木のような物体は、他には見当たらない。
色々と掘り出してみれば何かが分かるのか?と言えば…どうだろうか…。

Click!
少し左を向いてみます。
つまりこれは、
奥日掛林道の続きを下から見上げた時の眺め。
クリック後の矢印が
本来向かうべき終点【度合】方向というわけです。
擁壁がことごとく崩れていて破壊の凄さを見せつけられますが、それにしても種類がバラバラです。
何代にも渡って補修や補強が繰り返された、ということなのか。
…で。
ちょっと ここ、注目です。

Click!
何か見えますか?
拡大してもよく分からないので、もっと近づいてみました。
それがこちら。

Click!
あったよ!!!
【レールD】
古来より
「2本あるレールは3本ある。」という
諺があるのは知っていましたが…。(嘘)
さらに、レポートを書いている今になって気付いてしまった。

Click!
これも怪しくない?!
まあ現場で気づいたとしても、これ以上 近づく事すらできないような立地にあるのがね…。
これもいずれ、周りの土砂と一緒に落ちてくるんでしょうか?

Click!
最後にこれが、崩落地全体の俯瞰になります。
こうやって写真で見ると 距離感やスケール感が無くなってしまうのが悲しいところですが、全体の位置関係を理解する助けになれば幸いです。
というわけで、如何だったでしょうか?
結局のところ、
埋もれたレール群は何を意味するのか。
どのレールも
「切断されずに長いまま再利用された」のか?
それとも 昔からここが地滑りの巣で、
「廃線間際の頃に埋もれてしまったレールが回収されずにいて 今になって出てきた」とか?
そして、あと1kmちょっとで到達できるはずだった 終点
【度合】とは、どんな場所なのか?
残念ではありますが、多くの謎を残したまま 現地調査を終えなければなりません。
何にせよ、この
超危険な巨大崩落地 を越えない限り、この先へ進むことはできないわけで・・・。
この先へ・・・進むことは・・・。
えーっと・・・。
・・・あれ?
現在地
☆ 超 え て る ☆
おかしいなー。
いつの間に越えちゃったのかなー。(棒読み)
まあまあ、超えちまったものは しょうがないよね!
最後までお付き合い頂きましょう。
目指すは
最終目的地。
【度合】
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